着物を譲り受けた、体型が変わったなど、着物のサイズを変えたいと思うことがあるでしょう。
洋服のサイズ直しは身近ですが、着物も同じように自分サイズにお直しすることができます。
さらに、着物なら大きくしたり小さくしたりと自由自在。
自分が大切にしている着物を、娘や孫に譲って一生モノとして着続けてもらうこともできるのです。
今回は、着物の仕立て直しについて詳しくご紹介します。
着物のサイズをお直ししたい人は参考にしてみてくださいね。
着物の仕立て直しとは
着物は、仕立て直しをすることで自分サイズにお直しすることができます。
仕立て直しとは、着物を反物に戻してからもう一度仕立てることです。
洋服は型紙に合わせて生地を裁断して縫製していますが、着物は裁断せずに縫い込んで仕上げています。
これにより、縫い糸を解いて並べ替えることで反物に戻すことができるのです。
着物の仕立て直しは、以下のようなときに選ばれています。
・祖母や母の着物を受け継いだ
・振袖から引き振袖、訪問着にリメイクする
・男物を女性物の着物に変える
寸法直しと仕立て直しは同じ?違う?
仕立て直しと似た言葉に寸法直しがあります。
寸法直しとは、部分的なサイズ調整のことです。
袖を短く・長くしたい、裏地を取り換えたいなど、細かなお直しには寸法直しが適しています。
そのほかに、ほつれや擦り切れのお直し、たわみのお直し、汚れ隠しなどにも寸法直しが選ばれています。
着物の仕立て直しに関する疑問を解消しよう
着物は高価なものが多く、大切にしている人がほとんどでしょう。
だからこそ、仕立て直しに不安を感じるかもしれません。
着物の仕立て直しに関する疑問を詳しくご紹介します。
仕立て直しで元の縫い目は残らない?
仕立て直しでは、着物から反物に戻すために縫い糸を解きます。
元の縫い目が残ったままになるのでは、と疑問に感じる人もいるでしょう。
仕立て直しの工程の一つに洗い張りがあります。
洗い張りとは、反物全体を手洗いすることです。
洗い張りをすることで、元の縫い目が消えた状態で新たにお仕立てすることができます。
部分的に仕立て直しはできる?
お直ししたい部分が限定的であれば、仕立て直しよりも寸法直しが適しています。
そのほかにニオイや汚れが気になるときには、仕立て直しがおすすめです。
仕立て直しをすることで全体が綺麗に洗われ、縫い糸も新しくなります。
それだけでニオイや汚れが解消することも多いです。
要望に合わせて見積もりを取り、費用面を比較しても良いでしょう。
クリーニングで落ちない汚れは仕立て直しで解決できる?
着物を着ると、化粧品や食べもの・飲みものなどのシミがついてしまうことがあります。
汚れたばかりであれば、クリーニングのシミ抜きで綺麗になるでしょう。
年月が経ったシミの場合、シミ抜きでは残ってしまうことも。
クリーニングで落ちない汚れにも仕立て直しが効果的です。
仕立て直しで反物に戻すことで、シミを隠すようにお仕立てすることができます。
シワや折り目があっても仕立て直しはできる?
長く着物を保管すると、シワや折り目がついてしまうことがあります。
そのような状態でも、洗い張りもしくは湯のしによって仕立て直しをすることが可能です。
洗い張りとは、着物を反物に戻して洗うこと。
乾いてからスチームをあてて反物を平らに仕上げます。
湯のしとは、解いた反物にスチームをあてて幅を揃える方法です。
創業86周年の林屋が行う仕立て直しの流れをご紹介
創業86周年の着物専門店である林屋では、着物クリニックを開設しています。
林屋の着物クリニックは京都の悉皆屋やま忠と提携。
職人の技術を用いて着物を生まれ変わらせるところが魅力です。
20年以上に渡り、仕立て直しをはじめとするお直しやクリーニングを行っています。
さらに、林屋のきものクリニックは他店で購入された着物も大歓迎です。
お気軽にお問い合わせください。
きものクリニックが行う仕立て直しの流れをご紹介します。
カウンセリング
はじめに、お直ししたい着物を拝見いたします。
着物の状態によっては、仕立て直しよりも寸法直しが適していることも。
シミや色焼け、スレなどもお客様と確認し、仕立て直しの方向性をご提案します。
完成のイメージが共有できることで、お客様の不安も解消されるでしょう。
採寸
仕立て直しの方向性が決まるとプロによる採寸です。
身長、体重、バスト、ウエスト、ヒップを基本情報とし、以下の項目を採寸します。
・身丈
・裄
・袖付け
・袖巾
・袖丈
・衿肩明き
・繰り越し
・肩幅
・後巾
・前巾
・合褄巾
・抱き巾
・衿下
・長襦袢丈
洗い張り
つぎは、洗い張りの工程です。
着物の縫い目を解き、すべてのパーツをつなぎ合わせて反物に戻します。
職人による反物全体の手洗いのあと、温度管理された室内で自然乾燥。
自然乾燥には虫干しの効果もあります。
湯のし
反物が完全に乾燥すると、湯のしの工程です。
反物にスチームをあてて生地幅を均等に揃えます。
これにより、生地の狂いが最小限に。
古びたように感じる生地も綺麗に生まれ変わります。
お仕立て
反物の状態が整うと、いよいよお仕立ての工程です。
お仕立て専門の職人が採寸した情報に合わせて仕上げます。
一人の職人が完成まで担うことで、縫い目の強さや細かさが統一されるところが魅力です。
検品
仕立て上がると検品です。
お仕立てを担った職人はもちろんのこと、複数人で確認します。
採寸と間違いはないか、汚れやシミの残りはないか、針が残っていないかなど、細かく項目を分けているところが特長です。
一つひとつ人の目で確認し、綺麗にお仕立てされた着物をお渡しします。
仕立て直しはもちろんのこと、いつものお手入れも林屋へ
林屋が開設しているきものクリニックは、仕立て直しだけではありません。
いつものお手入れも丁寧に行います。
もちろん、他店で購入された着物のお手入れもご相談ください。
きものクリニックでは、林屋の利益を少なくすることで安心価格を実現。
いつでも綺麗な状態の着物が楽しめるでしょう。
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【岡山・香川】宝物の着物を綺麗に。着物専門店のクリーニング方法
手洗い・丸洗い
手洗い・丸洗いは着物を綺麗に洗うメニューです。
林屋では、汚れの状態によって洗い方を変えています。
手洗いでは専用の洗浄液を使用。
着物の生地を傷めずに頑固な汚れを落とします。
丸洗いでは蒸留還元方式の和装専用洗浄機を使用。
フッ素系ドライ溶剤を使い、気になるニオイを残しません。
自然乾燥による虫干しの効果も魅力です。
プレス仕上げ
プレス仕上げは着物の質感をふっくらとさせるメニューです。
仕上げ専門の職人により、アイロンを使って丁寧に仕上げます。
箔や刺繍が使われた繊細な着物も、林屋なら綺麗に仕上がるところが魅力です。
シミ抜き
シミ抜きは、着物のシミや汚れを落とすメニューです。
食べものや飲みものといった一般的なシミ汚れはもちろんのこと、洗浄では落ちきらない汚れも綺麗に仕上げます。
薬剤を豊富に揃え、原因や経過年数、生地の状態に合わせて使用するところが特長です。
スプレーガンとバキュームを駆使し、特殊な技術を用います。
染め替え
染め替えは、着物の生地の色を変えるメニューです。
日焼けや経年劣化による変色、着物の雰囲気を変えたいときに選ばれています。
林屋のきものクリニックでは吹付けと筆を使用。
柄を残したまま地色を色替えしたり、色を抜いてぼかしたりなどなんでもご相談ください。
プラチナガード
プラチナガードは着物を雨や汚れから守る加工メニューです。
着物は水分や汚れを苦手とします。
独自配合されたプラチナガードによって着物の生地をダメージからガード。
見た目はそのままに、機能性を高めます。
まとめ
着物の仕立て直しについてご紹介しました。
創業86周年を迎えた着物専門店の林屋では、きものクリニックを開設しています。
着物の購入はもちろんのこと、仕立て直しをはじめとするお手入れもご相談ください。
ご来店の際には、webからの来店予約がおすすめです。
岡山・香川県下No.1を誇る丁寧な仕立て直し・お手入れ、5,000点以上の品揃えでお待ちしております。
岡山県倉敷市・香川県丸亀市の方は、ぜひご予約の上ご来店ください。