「着物は難しい」と感じる大きな理由の一つに、着物には豊富な種類があることが挙げられます。
着物は同じ形をしていても、柄の施し方や紋の有無によって適したTPOが異なるもの。
シーンに合わない着物を着てしまうと、マナー違反だと思われてしまうこともあるのです。
ですが、種類を知ることで簡単にTPOにぴったりの着物を選べるようになります。
今回は、着物の種類がわからない人向けに、TPO別にふさわしい着物をご紹介します。
予定に合わせて着物を選べるようになりたい人、気軽に着物を楽しみたい人は参考にしてみてくださいね。
目次
着物には格がある!TPOに合わせた格とは
着物を着るためのはじめの知識として、格について知りましょう。
格とは高い・低いで表現され、格が高いほどフォーマルシーンに適した着物といえます。
着物を着る用途に合わせて格が分類されるため、仕立てのクオリティーや価格は格を決める要素に含まれません。
着物の格は、着物そのものの種類と紋の種類で分けることができます。
着物の種類による格
着物の種類によって、最も格の高い『正礼装』、二番目に格の高い『準礼装』、フォーマルシーンには適さない『普段着』に分けることができます。
それぞれの格の着物は以下の通りです。
【正礼装の着物】
・打掛
・黒紋付
・留袖
・振袖
正礼装に分類される着物は、冠婚葬祭などのフォーマルシーンに適しています。
【準礼装の着物】
・訪問着
・色無地
・付け下げ
準礼装に分類される着物は、子どもの行事やお茶会などのセミフォーマルシーンに適しています。
【普段着の着物】
・小紋
・紬
・浴衣
普段着に分類される着物は、お出かけや趣味の場などの自由な装いに選ばれています。
これらは基本となる格の分類ですが、着物によっては紋の数で準礼装や普段着としても着ることができます。
柔軟に着こなせるところが着物の面白さといえるでしょう。
紋の種類による格
着物に施された紋の種類によっても格を分けることができます。
紋の種類による格は以下の通りです。
・染め抜き日向紋:紋の形になるよう染め抜いて施す
・染め抜き陰紋:輪郭を染め抜いて施す
・摺り込み日向紋:薄い地色の着物に染めて施す
・縫いの陰紋:輪郭を刺繍で施す
染め抜き日向紋の着物が最も格が高く、縫いの陰紋の着物が最も格が低いです。
正礼装の着物の種類をご紹介
正礼装の着物は、第一礼装や礼装と呼ばれることもあります。
正礼装の着物の特長を、それぞれ詳しくチェックしてみましょう。
打掛
打掛は着物のなかで最も格が高く、江戸時代から花嫁衣装として選ばれています。
小袖の上に軽く羽織るように着ることから、打掛という名前がつきました。
打掛は、白無垢と色打掛の2種類です。
白無垢は掛下と打掛、小物のすべてを白で統一します。
色打掛はさまざまな色柄と豪華さが特長です。
黒紋付
黒紋付も正礼装に分類される着物です。
光沢のない黒地の着物であり、背中と両胸、両袖に紋が入った五つ紋が特長です。
女性は主に喪服として着ます。
留袖
留袖も正礼装に分類される着物です。
留袖は、黒留袖と色留袖の2種類あります。
黒留袖は五つ紋が入り、既婚女性が着ることのできる着物です。
新郎新婦の母親の装いとして選ばれています。
色留袖は、黒以外の色で染められた留袖であり、既婚・未婚を問わずに着ることのできる着物です。
五つ紋の色留袖は正礼装、三つ紋や一つ紋の留袖は準礼装に分類されます。
黒留袖・色留袖ともに合わせる帯は、金糸や銀糸を使った袋帯です。
振袖
振袖も正礼装に分類される着物です。
未婚女性が着る着物のなかで最も格が高く、袖の長さによって3種類に分けることができます。
一番袖の長い大振袖は、もともと白無垢のお色直しの着物でした。
近年は高身長の新成人が増えているため、成人式での着用も増えています。
つぎに袖の長い中振袖は、成人式で新成人が着る定番の着物です。
一番袖の短い小振袖は、袴との組み合わせが一般的です。
主に卒業式の装いとして選ばれています。
準礼装の着物の種類をご紹介
準礼装の着物は、略礼装と呼ばれることもあります。
準礼装の着物の特長を、それぞれ詳しくチェックしてみましょう。
訪問着
訪問着は、準礼装を代表する着物です。
豪華な印象を与える絵羽模様が施され、セミフォーマルからカジュアルシーンまで万能に着ることができます。
着る人の年齢や既婚・未婚を問わないことから、初めての着物や長く着続ける着物としても人気です。
準礼装として訪問着を選びたい場合には、一つ紋を施しましょう。
カジュアルシーン向けの訪問着は、紋無しで問題ありません。
一つ紋の訪問着・紋無しの訪問着ともに帯は袋帯を合わせます。
色無地
色無地も準礼装に分類される着物です。
黒以外の単色で染められ、柄は施されません。
一つ紋を入れた色無地が一般的であり、帯や小物の組み合わせによって格を変化させることができます。
無地と名前のつく通り、柄のない着物であるため、ほかの着物で大変な柄選びを省略できるところが魅力です。
グレーや淡い紫などの控えめな色かつ紋無しであれば、色喪服として着用する人もいます。
着回しのしやすい着物ではありますが、着るシーンに合わせて紋や地紋の有無、色を選ばなければいけません。
付け下げ
付け下げも準礼装に分類される着物です。
訪問着によく似た着物として知られ、見分けが難しいといわれています。
付け下げと訪問着が似ている理由は、付け下げが生まれた背景にあるから。
付け下げは贅沢が禁止だった戦時中に生まれた着物であるのです。
そのため、訪問着で使われる金糸や銀糸は、付け下げには使われません。
柄も控えめなものが多いです。
普段着の着物の種類をご紹介
普段着の着物は、おしゃれ着と呼ばれることもあります。
普段着の着物の特長を、それぞれ詳しくチェックしてみましょう。
小紋
小紋は普段着に分類される着物です。
着物全体に細かい模様が同じ方向に繰り返すように施されているところが特長です。
飛び柄小紋や総柄小紋など、柄の大きさや模様の種類も豊富にあり、自由な着こなしを楽しむことができます。
なかでも江戸小紋は紋を入れることができるため、準礼装としても愛用できるでしょう。
型染めが使われているところも小紋ならではの魅力です。
紬
紬も普段着に分類される着物です。
染色した紬糸を使った絹織物であり、最もカジュアルな着物として知られています。
木綿に似た独特の風合いと軽い着心地が特長です。
日本各地で作られ、産地によって異なる風合いを楽しめるところも魅力といわれています。
なかでも、大島紬や結城紬、牛首紬などが有名です。
作り手が減少していることで価値が高まっていますが、あくまでカジュアルな着物でありフォーマルシーンには適していません。
浴衣
浴衣も普段着に分類される着物です。
暑い季節に着るために、薄手に作られています。
着心地の軽さと涼しさが魅力です。
また、素足に下駄を履くところも浴衣ならではの特長といえるでしょう。
万能に愛用できる着物は林屋がおすすめ
着物にはたくさんの種類がありますが、さまざまなシーンで万能に愛用できる着物なら訪問着がぴったりです。
創業から85年以上の着物専門店である林屋では、着物デビューにおすすめの特別なセットをご用意しています。
【これからのきものセット(298,000円/398,000円)】
・特選訪問着
・西陣袋帯
・厳選小物3セット(帯締め、帯揚げ、重ね衿)
まとめ
着物の種類がわからない人向けに、TPO別にふさわしい着物をご紹介しました。
着物専門店の林屋なら、老舗だからできる豊富な品揃えから自分にぴったりの一着に出会うことができるでしょう。
特別な特典をご用意してご来店をお待ちしております。
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