お茶会にぴったりの着物は？選び方やマナーをわかりやすく解説

着物で参加するイベントといえば、お茶会をイメージする人が多いでしょう。
お茶会は着物でのイベントの王道であり、大人のおしゃれな趣味として楽しまれています。
「着物デビューをしたから、お茶会にも行ってみたい」と考えていませんか？

初めてのお茶会はわからないことだらけ。
着物の選び方に悩んでしまう人も珍しくありません。

今回は、お茶会での着物の選び方やマナーについてわかりやすくご紹介します。
お茶会にぴったりの着物を選べるようになりたい人は参考にしてみてくださいね。

1 お茶会には着物が適している
2 お茶会に適した着物は『やわらかもの』
- 2.1 『かたもの』の着物は避けた方がベター
3 お茶会にぴったりの着物の選び方をご紹介
4 ふさわしい着物でお茶会に。着こなしのマナーをご紹介
5 林屋ならお茶会がより一層楽しくなる
6 まとめ

お茶会には着物が適している

お茶会という言葉は、2種類の会を指します。
1つ目は、紅茶やケーキなどとともに会話を楽しむ会。
ティーパーティーと呼ばれることもあります。

2つ目は、お抹茶とともに会話を楽しむ会。
正式なお茶会は『茶事』、略式のお茶会は『茶会』と呼ばれます。
茶道は日本の伝統的な文化であるため、ぜひ装いには着物を選びましょう。

お茶会に適した着物は『やわらかもの』

お茶会に参加するときには、『やわらかもの』と呼ばれる着物が適しています。
やわらかものの着物とは、絹糸を白生地で織り、あとから染めた『染めの着物』のことです。

着物では、やわらかな着物がフォーマルシーンに向いているとされています。
茶道では立ち座りの動作もあるため、着崩れのしにくいやわらかな着物は理にかなっています。

『かたもの』の着物は避けた方がベター

やわらかものの着物の反対に、『かたもの』と呼ばれる着物もあります。
かたものの着物とは、先に染めた糸で生地を織った『織りの着物』のことです。
カジュアルシーンに向いた着物であるため、たとえ高価なものでもお茶会には適していません。

やわらかものの着物と異なり、かたものの着物は体に沿いにくいことで動きにくさもあります。
お茶会はもちろん、お稽古のときにも避けることが無難です。

ただし、お茶会の格によってはかたものの着物も着ることができます。

お茶会にぴったりの着物の選び方をご紹介

お茶会では、やわらかものの着物が適しているとご紹介しました。
とはいえ、やわらかものの着物ならどんなものでもお茶会向けというわけではありません。
お茶会にぴったりの着物の選び方をチェックしてみましょう。

主催者よりも格上の着物は避ける

お茶会では、亭主とよばれる主催の人がいます。
亭主よりも着物の格が上にならない着物を選び、敬意を表しましょう。

また、お呼ばれした人が座る順番にもルールがあり、一番上位に座る正客は客人の代表者です。
正客よりも着物の格が上にならないこともマナーといえます。
お茶会に参加するときには、あらかじめ亭主や正客が着る着物を確認しておくと安心です。

色無地はベーシックに着回しができる

お茶会は、侘び寂びの精神性が大切にされています。
亭主はおもてなしとして掛け軸や茶碗、茶花などにもこだわって準備をしているもの。
派手な着物は避け、控えめで上品な着物を選びましょう。

色無地の着物なら、華美になりすぎずにお茶会によく合います。
一つ紋の色無地は略礼装に分類されるため、どんなお茶会でも安心です。

季節感のある着物を選ぶ

お茶会は、季節を楽しむ集まりでもあります。
季節に合わせて着物の種類や色柄にこだわりましょう。
季節ごとの着物の種類は以下の通りです。

・袷の着物：裏地がついているため春・秋・冬に適している
・単衣の着物：裏地がついていないため春終わり・夏の始まりに適している
・薄物の着物：布地に上布や絽紗が使われ、夏に適している

一般的に、着物の柄には先取りのルールがあります。
実際の季節に遅れないよう、少しだけ先取りした柄を選びましょう。
また、茶道具の柄が描かれた着物は、亭主に失礼となるためお茶会には適していません。

お茶会の格に合わせて着物を選ぶ

お茶会にも格式があり、参加する会の格に合わせた着物選びが求められます。
お茶会ごとの格と適した着物は以下の通りです。

・初釜、炉開き、口切り：格式が高くおめでたいお茶会。訪問着や付け下げ、紋入りの色無地が適している
・月釜：親しい仲間で毎月行われるお茶会。訪問着や付け下げ、色無地、江戸小紋が適している
・大寄せ：数十人規模の大きなお茶会。カジュアルな会なら色無地や江戸小紋が適している
・野点：一般の人も参加する野外のお茶会。小紋や紬が適している

ふさわしい着物でお茶会に。着こなしのマナーをご紹介

着物選びは上手にできても、着こなしが合っていないとお茶会にはふさわしくない着姿になってしまいます。
お茶会での着物の着こなしのマナーをご紹介します。

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着物と帯の格を合わせる

着物に合わせて帯の格も意識しましょう。
格の高いお茶会では、訪問着や付け下げに合わせた古典柄の袋帯がおすすめです。
色無地を着る場合、一つ紋なら袋帯を、紋無しなら洒落袋帯や名古屋帯を合わせます。

帯結びは膨らみを小さめにすることがマナーです。

半衿と足袋は白色が基本

半衿や足袋もさまざまな種類がありますが、お茶会には白色が基本です。
これは、茶道では清潔感が大切にされているから。
とくに足袋は清潔な状態で茶席に入れるよう、交換用の足袋や足袋カバーも必要です。

時計をはじめアクセサリーは身に着けない

亭主が用意した茶道具や茶碗などを傷つけてしまわないよう、時計やネックレス、ピアス、ブレスレット、指輪などのアクセサリー類は一切身につけないことがマナーです。
髪飾りもつけません。
ネイルもあらかじめ整え、自爪のようなナチュラルなデザインに変えておきます。

また、お茶会では香りを楽しむ場面も多々あります。
香水や柔軟剤なども避けましょう。

お茶会に適した持ち物を用意する

お茶会にお呼ばれしたときには、持ち物も用意しなければいけません。
以下のものを揃えましょう。

・懐紙：お茶菓子をのせるときに使う。お茶会に参加するごとに1帖必要であり、男性用・女性用がある
・楊枝：菓子切りとも呼ばれ、お茶菓子をいただくときに使う。楊枝入れに納め、懐紙に挟む
・扇子：茶道用のものを膝前に置いて使う。男性用・女性用がある
・懐紙入れ：袱紗ばさみとも呼ばれ、茶道小物をひとまとめにするために使う
・数寄屋袋：貴重品など必要な小物をひとまとめにするために使う
・交換用の足袋または足袋カバー：茶席に清潔な状態で入るために使う