INTERVIEW

ゼネラル
マネージャー

林総一郎
Soichiro Hayashi

林総一郎
沢山のスタッフさんにお話を伺いました。皆さん素晴らしいスタッフ様で、会社の勢いを感じさせて頂ける方たちでした。
皆さんが口を揃えて言われる内容からも、社風の良さというか調和を感じさせて頂きました。
その会社の牽引役として、今回、林総一郎GM(ゼネラルマネージャー)にお話を伺いました。
林屋さんが今後この呉服業界の中ではたす役割はなんでしょうか?
私たちは「着物を売りたい」と思うのではなく「着物を着てほしい」という思いからスタートしています。そして「着物人口を増やしたい」という思いを強く持っています。

例えば、小学校の入学式や卒業式の時などを見ても、やはり洋服を選択されるお母様が多くみられます。お嫁入りされたときにご両親に持たせて頂いた訪問着を、こういった節目の時にこそ着て頂きたいと思います。

学校の入学式・卒業式に参列されるお母様全員が着物を着いている、そういう街づくりをこの岡山県倉敷市児島という地域から発信していきたいと思っています。まだまだ着用率は2割強ですが、ここから5ヶ年計画で進めていく予定です。
その一環として、林屋で購入されていない着物でもどんどん着付けさせて頂く、というキャンペーンを展開中です。そこから、次年度のお母様たちに先輩お母様から「着物の人が結構多かったよ」といった口コミ展開が起こるようになれば、翌年はさらに増えていくだろうと予測しています。
これが3年先、4年先にときちんとバトンを繋いでいくことで、5年先には倉敷市児島の小学校から中学校の入学式・卒業式は全員着物で参列するようになるのではないでしょうか。いずれ入学式・卒業式が、お母さんたちにとって成人式のような晴れのイベントになればと思います。

何より着物を着ていることで周りの方、近所の方から褒められます。人は褒められると嬉しいものです。「また着物を着よう」という気持ちになるかもしれません。子供がその母親の姿を見て喜び、憧れ、自分も親になった時に着てみたいと思う、その気持を支え、お手伝いするのが私たちの役割です。

林屋は創業から80周余年を迎えます。本当にここまで児島の皆さんに愛され、大切にしていただき、助けて頂きました。今度は私たちが皆さんにお返しさせて頂く番だという思いで、児島並びに倉敷市の街づくりに少しは貢献させて頂き、必要とされるお店作りをここからさせて頂こうと動いています。
林屋が向かうべき道はどこですか?
「これからも着物から外れず、着物から逃げるようなことは絶対にしない」ということが私たちの道の前提にあります。その道の上で着物を通して「女性を綺麗にする」お手伝いをさせて頂きます。

ジュエリーや洋服の提供などもしていきますが、この先もずっと本流は「着物」であり「和装」です。これからも着物から外れるようなことはしません。 私たちは素晴らしい和装文化を次の世代に引き継ぐバトンを持っています。きちんとそのバトンを未来に繋いでいく事が、私たちが向かうべき道なんです。
素晴らしいですね。そんな中でやらないといけないことはあると思いますが、80年をへて、今林屋がもっとも大切にしていることは何ですか?
2つの考え方があります。

まず1つが「社員」を大切にすること。「人財」ですね。スタッフなくては、社会やお客様に貢献させて頂けないと思います。もっと着付けの先生も育てていかなければ、「着て頂く」ことのお手伝いもできませんからね。
着物の素晴らしさを最前線で伝えてくれる販売、営業スタッフも大切です。喜んで楽しんで、何より着物が大好きなスタッフがもっと増えてくれれば、お客様が「そのスタッフがいるから林屋に行くんだ」という流れができたら最高ですね。
「お客様は神様です」といった感謝の思いは当然ございます。しかし、私たちが社会で必要とされてきた理由の一つが、社員の皆さんをお客様同様に大切にしてきた結果だと思っています。 このスタンスは永遠に変わることのない林屋のポリシー・DNAです。

そしてもう1つは「産地」です。
業界全体の悩みではありますが、全国の産地からの商品が減ってきています。生産数の激減で、私たちの提案する商品、売る商品が減ってきています。
市場で売れなければ当然産地も生産量を減らさざるを得ないわけで、私たちは業界の底辺でしっかりとお客様に伝え、販売していく事が大切になります。
そうしてまた新作が出てくるといったサイクルにしていきたいと思っています。
では具体的にどういう人が林屋には必要ですか?
学歴などは基本的に基準にしません。
明るく前向きな人であることは当然ですが、それよりも「当たり前のことが当たり前にできること」が一番求めることです。これが本当に難しいことで、挨拶一つも疎かにしない人はいいですね。
さらに「気配りができる人」というか「気の付く人」が良いですね。些細なこともきちんと気付けるのは本当に武器になりますし、報連相がきちんとできることに繋がりますからね。
それは結局「人を大切にする」ことができる人だと思います。そういう人であるならば、学歴などではかりにかけるようなことはしないのが当社の採用ポリシーです。

最後に林屋で働くことの意義や得られるものについて教えてください。
当社のお客様は社会的にも認められた方が多く、その方たちが一目置いて同じ目線でお話をしてくださったりするので、大きな成長の機会を頂けます。お客様から学ばせて頂き、教えて頂くことが本当に多い職場環境です。 また、普通の営業や販売では入ることのできない、そういった方たちの家族の中まで私たちは入らせて頂けます。家族の皆さんに認められるというハードルを越え、更なる成長のチャンスを頂けます。 ですから、本当の意味で自分の人間性を認めて頂き、磨いていかなければ長くお付き合いしていただけない世界なんです。